事務所通信 10月号
労働条件の明示事項が追加されます。
「労働基準法施行規則」と「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の改正に伴い、2024年4月1日以降採用時(有期契約の場合は契約更新含む)に労働者に対し明示することが義務付けられている事項が追加されます。そのため現在の労働条件通知書のフォームを変更する必要があります。これに関連して職業安定法施行規則で定められた募集時に明示すべき労働条件にも同内容が追加されます。
1.すべての労働者に対して
雇入れ直後の就業場所・業務の「変更の範囲」の明示
2.有期雇用契約の労働者に対して
有期労働契約の通算契約期間又は更新回数の上限の有無とその内容の明示
更新上限を新設・短縮する場合はその理由
3.「無期転換申込権」が発生する有期雇用契約の契約更新のタイミングごと
無期転換を申し込むことができる旨の明示
無期転換後の労働条件の明示
130万円の壁に関する事業主の証明書例が示されました。
先月解説した収入の壁支援強化パッケージですが、報道が先行してしまい年金事務所や健保組合に問い合わせても詳細不明の状態でしたが、徐々に詳細がわかってきました。収入の壁支援強化パッケージのうち「130万円の壁」について改めて説明いたします。
現在年収130万円以上になると配偶者の健康保険の被扶養者及び国民年金第3号被保険者から外れてしまうため、国民年金・国民健康保険に自身で加入しなければならなくなり保険料の支払いによって手取り収入が減ってしまうことを避けるため、働く時間を調整するパート・アルバイトが多い状態です。繁忙期に残業したこと等によって一時的に収入があがり年収が130万円以上になっても、事業主がその旨を証明することで、引き続き健康保険の扶養に入り続けることが可能となる仕組みが発表されました。
今回の措置は、今後新たに被扶養者になる場合と、健保組合が実施する定期的な被扶養者の収入確認の際に適用されます。健保組合が実施する被扶養者の収入確認は毎年行われるもので、協会けんぽの場合は、毎年10月~11月にかけて現在の「被扶養者状況リスト」が事業主へ送られ、事業主が被扶養者の収入状況を確認し、引き続き被扶養者となる要件を満たしているかを届出します。この事業主の証明は原則として連続2回までを上限とすることとされています。
ここでいう一時的な収入変動の範囲についてですが、具体的に超えて良い金額は示されていません。ただし、被扶養者の収入が被保険者の年間収入を上回ったり、被保険者からの仕送り額を上回ったりする場合は、被扶養者の認定が取り消されます。また、一時的な収入変動として認められる事情としては他の従業員の退職や休職によって一時的に業務量が増加し残業手当が増えた場合、突発的な大口案件や事業所の受注が増加したことによる事業所全体の業務量増加による残業手当や繁忙手当が想定されています。そのため、基本給があがったり恒常的な手当が新設された、または雇用契約書に記載された所定労働日数の増加により、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合は、一時的な収入増加とは認められません。
また、フリーランスや自営業による収入の増加は今回の支援強化パッケージの対象となりませんので注意が必要です。この特例は健康保険の被扶養者認定(国民年金第3号被保険者認定)にのみ実施されるため、税金の扶養控除の適用要件に関しては通常の取扱いがなされます。
所長のつぶやき
ハロウィンもすっかり定着した日本ですが、所長の出身地三重県四日市市の一部では中秋の名月の日に行われる「お月見泥棒」という文化がありました。夕方になると子どもたちが数人で近所のお宅をまわり、「お月見ちょうだーい」と声をかけます。すると住民が出てきてお菓子をくれたり、お庭にススキと一緒にお菓子が用意されていたりという、まさにハロウィンの「Trick or Treat」と同じようなものです。所長の子どもの頃には既にあったので、ハロウィンが日本に上陸する前からあったのではと思います。コロナ禍でお月見泥棒も中止されていましたが、そのまま文化がなくなってしまうのは寂しいですね。この時期になるとお月見泥棒を思い出す所長でした。